恵比寿君嶋屋(恵比寿)

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カフェ気分でこだわりワインを角打ち

「恵比寿君嶋屋」は、いつもにぎやかな恵比寿の駅ビル・アトレ西館にある。2016年に新しくできた西館は、パリの街角にあるような通りのネームプレートや街路灯がフロアを飾っている。恵比寿君嶋屋の内装も「パリにあるワインカーヴ」がコンセプト。ペンダントライトやフォトフレームが飾られた角打ちスペースはさながらカフェのよう。会社帰りに立ち寄って、プライベートな時間に戻る中継地点にするにはぴったりの場所。グラスワインを飲みながら、短編小説を読んでから店を後にするような過ごし方をする人もいる。休日なら、ショッピングの合間にシャンパーニュでひと息入れるのもよさそう。気取らないけど上質な時間を過ごす人が集まる場所となっている。店内にあるワインはフランス各地のワインが中心で、食事のおいしさを引き立てる立役者が揃う。直輸入されたこだわりのワインもあり、自宅でも食卓を華やかにしてくれる。ちょっと電車で遠回りしても、立ち寄りたいお店だ。

角打ちで繁栄した老舗酒屋の新しいスタイル

恵比寿君嶋屋は、老舗の酒屋「横浜君嶋屋」の3つめの店舗にあたる。横浜君嶋屋は、1892年(明治25年)に横浜・南吉田町で君嶋商店として創業。吉田新田地区の発展とともに繁栄してきた酒屋だ。辺り一帯は、桜木町から南太田まで広がる大きな入り江が埋め立てられた場所。現在のような市街地が形成される過程で、近隣で働く男衆が角打ちで集まる酒屋としてにぎわいを見せた。その後、「本当に旨い酒」を売る酒屋に転換。日本酒や焼酎だけでなくワインも扱い、「料理に寄り添う食中酒」をコンセプトに据えた。1997年には、ワインの直輸入もスタート。2006年に丸の内店(現・銀座店)、2016年に恵比寿店を開店。現代風に上手にアレンジされた角打ちを取り入れ、こだわりの酒が用意されている。

2018年1月から恵比寿君嶋屋の店長を務めるのは、早野宏子さん。ワイン専門店で長く働いた後、ワインの専門的知識を求められ、日本酒バーに4年勤務。これまで培ったワイン、日本酒、バーすべての経験を活かせると2015年に横浜君嶋屋に入社。2017年には日本ソムリエ協会で当時スタートしたばかりの「J.S.A. SAKE DIPLOMA」に認定。本店、銀座店での勤務を経て、恵比寿店の店長に就任した。

「小売りの仕事は、お客様とお話しして選んだものがフィットして、“美味しかったからまた来ました”と言ってもらえるのが最大の喜び。今まで積み重ねたものが活かせる場なので、毎日が充実しています」と早野店長。その言葉は、ワインや日本酒の楽しさを伝える喜びがあふれていた。もちろん早野店長以外も専門知識を持ったスタッフが接客にあたる。ワイン、日本酒、焼酎に精通したスタッフから情報をキャッチしよう。

食事の喜びを何倍にもする食中酒を品揃え

恵比寿君嶋屋では、「食中酒」をコンセプトにした日本酒やワイン、焼酎がセレクトされている。アイテム数は、すべて合わせて1200種類。ワイン500種以上、日本酒500種以上、さらに焼酎や梅酒などもある。「酒は料理とマリアージュしてこそ、おいしい驚きや発見がある」との考えから料理を引き立てる酒が用意されているのだ。

ワインは、フランスを中心にイタリアやスペイン、アメリカ、日本ワインも取り揃えられている。このうち直輸入されているワインも約50生産者。アルザスのボクスレーやカリフォルニアのガルジウロなど評価の高い生産者のワインもある。日本酒も全国の蔵元から食中酒として厳選されたものが揃う。特に、「王祿」の品揃えが豊富。また、君嶋屋でしか買えないのが、全国の蔵元とコラボレーションした「情熱シリーズ」。食を楽しむ人に向けて、酒米や酵母、磨き方を蔵元に指定して仕込まれたシリーズが14銘柄用意されている。

ワインにも日本酒にも、そのほかの酒にも君嶋屋のこだわりが感じられるラインナップが揃っている。

店内のレイアウトをチェック

店内は、右側が日本酒や焼酎、日本ワイン、左側がワインと分かれている。角打ちカウンターやテーブルは入って左側へ進もう。

日本ワインは、山梨や長野、北海道、島根、熊本などから入荷。店内でも入れ替わりの激しい人気コーナー。

日本酒のラインナップも自慢。これ以外にも冷蔵ケースで冷やされた日本酒がたくさんある。

色合いのきれいな梅酒や果実酒は、プレゼントや海外のお土産にも人気。

角打ちは、ワイン9種類、日本酒10種以上のメニューが用意されている。ワインはボトル1本、日本酒は1升瓶が開いたら入れ替えられるので、ほぼ日替わり。日本酒も香りを楽しめるようワイングラスで提供されている。

角打ちのおつまみメニュー。恵比寿の銘店とコラボしたメニューや全国から取り寄せたメニューもあり、角打ちとは思えないレベルに充実!

おすすめは、果実味豊かなアルザスのピノ・ノワール

「アルザス ピノ・ノワール 2017」アルベール・ボクスレ ¥4,240(税別)

おすすめしてもらったのは、アルザスで3本の指に入る実力派生産者で直輸入されたアルベール・ボクスレの赤ワイン。

「フランスのアルザス地方というと白ワインで有名ですが、こちらのピノ・ノワールもとてもおいしいんです。ブルゴーニュのピノ・ノワールと比べると果実感がしっかりあって、酸味が穏やか。酸っぱいのは苦手という方にもイチオシですね。

こちらのワインは日当たりのいい斜面でしっかりとブドウが熟されているので凝縮感のある味わい。ワインを一言で表すと、ピュアでなめらかな印象。雑味がなくピノ・ノワールの個性が表現されている素晴らしいワインです」

アルザスのピノ・ノワールの実力が感じられる味わいを試してみよう。

ハッピーマンデーでレアワインを角打ち

恵比寿君嶋屋で毎週月曜日に実施されているイベントが、「ハッピーマンデー」。入手困難なレアワインや長年ストックされた熟成ワイン、期間限定の貴重な日本酒が抜栓され、角打ちメニューになる。ワインと日本酒がそれぞれ隔週で登場する。夕方にはなくなってしまうこともある人気イベントなので、早めにチェックしたい。ハッピーマンデーの銘柄は、FacebookやInstagramで告知されている。フォローして情報をキャッチしよう。

恵比寿君嶋屋
渋谷区恵比寿南1-6-1 アトレ恵比寿西館4F
03-5475-8716
10:00〜22:00/休日はアトレ恵比寿に準じる
Facebook:@yebisukimijimaya
Instagram:@kimijimaya_yebisu

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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