wineshop flow(幡ヶ谷)

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心を鎮めるワインと空間

ワインを飲みたいのは、お祝いや気分を上げたいときだけではない。ワインに親しむに連れ、日常を癒すパートナーの役割を求めたくなる。じんわりおいしいワインが買えて、身を置くだけで心が休まるスペースがあれば最高だ。

そんな人に紹介したいのが、「wineshop flow」。商店街沿いのレンガ造りの建物の半地下の階段を降りると、木に囲まれた広い角打ちスペースに行き着く。開け放し扉の向こうには、丸くくり抜かれたワインセラーの入口が見えるが、その手前にはカウンターと木のテーブルがあって、4〜6種類ほどの自然派ワインやクラフトビールが飲める。

店内には音楽が響いていて、その音がとても心地よい。聞けば、店主は音楽家でもあり、曲のセレクトや音質にもこだわりがあるという。壁は、凹凸にしたり間取りを工夫したりすることで、ほどよく吸音されるしくみになっていて、いい音だけが耳に残るのだそう。一人で落ち着くにもいいし、ふたりで来ても会話を邪魔しないBGMが響く。店にあるワインはすべて自然派で、体にすっと入ってくる飲み心地のものだけがセレクトされている。ひたすら心と体をおだやかに鎮めてくれるワインショップだ。

店から外はすぐそこなのに、まるで結界があるかのように日常の喧騒と切り離される。しかし、ここから日常を覗くと愛しささえ感じられるから不思議だ。

家飲み好きな人が集まれる場にしたい

wineshop flowの店主を務めるのは、深川健光さん。ささやくような語り口とゆったりとした佇まいで迎えてくれるのも、この店で癒される理由の1つ。ドラムを演奏する音楽家としての顔も持ち、いまもライブ活動を続けている。2017年12月に店をオープンさせるまでは、6年間、都内の自然派ワインバーでサービスを担当。そこで、自然派ワインとの出会いを果たす。自身の店をオープンするに当たっては、バーではないスタイルを模索した。

「僕自身、お家で飲むのが大好きでショップにしたいとは思っていました。けど、それだけじゃ飲めないし、集まれない。ワインは試飲じゃなくて一杯向き合わないとわからない。それで、角打ちスペースもあるこのスタイルになりました」

広い角打ちスペースには、繊細なワインと音楽が響き合い、ここでしか味わえない時間が過ごせる。

体にしみわたるワインを提供したい

丸い扉の奥にあるセラーには、自然派ワインが200種類ほど並ぶ。深川さんのセレクトの基準は?
「試飲会で飲んで、できるだけ自然に体にしみ入るものを選んでいます。酸化防止剤も入っていないものだとベストですが、おいしく飲めることも大切です。こういうワインが初めての人でもなじめるものも入れています」と深川さん。

また、選ぶときは何日かに分けて飲むかどうかも聞かれる。その場合、冷蔵庫で保存してもへたらないワインを紹介してもらえる。自然派ワインが初めての人にも、すんなり入っていける気配りがある。

店内のレイアウトをチェック


店内は、手前が広い試飲スペース。奥がワインセラーになっている。セラーに入るときも、丸い扉には荷物入れがあるため、バッグはそこに収納。荷物を気にせず、ゆったり買い物ができるのもうれしいポイントだ。
ワインセラーの右手には、ジュースや食品、焼酎も少し並んでいる。どれも自然な味わいのもの。
角打ちスペースには、日替わりでワインやクラフトビールが並ぶ。生ハムやチーズ盛り合わせ、ナッツなどの軽いアテも置いてある。
深川さん自慢の音楽ラベルコレクション。

おすすめはロワールのナチュラルワイン

「コルボー2016(グロロー)」シルヴァン・マルティネズ ¥4,320

おすすめとして選んでもらったのは、ローヌの生産者シルヴァン・マルティネズのワイン。酸化防止剤無添加にこだわるだけでなく、畑仕事も徹底。馬で耕したり、収量を減らして完熟を待つなど、栽培から自然な造りを実践している。

「初めて飲んだのは、ピノドニスという品種です。果実味の中にスパイシーさやヒノキのニュアンスを感じる驚きの味わいでした。以来、この造り手が好きですね。グロローは品種特性上、少しタンニンのグリップがあって、それもおもしろさに繋がっています」。深川さんが惚れ込んだ味わいを確かめてみてはいかが?

イベントはSNSをチェック

イベントは不定期に誘いがあったときに開催されている。この春も、代々木上原の和食店とのコラボイベントや、オーストラリアの造り手の来日イベントが盛況だったそう。情報は、SNSで発信されているのを逃さずキャッチしよう。

wineshop flow
渋谷区西原2-28-3 クローバービルB1
03-6804-7341
月〜土 15:00〜24:00、日・祝 15:00〜20:00
(日曜は翌日が祝日の場合は〜24:00)
不定休
HP:https://wineshop-flow.business.site
Facebook:@wineshopflow
Instagram:@wineshop_flow

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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