ヒロヤショップ吉祥寺セラー(吉祥寺)

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蔵出し品質のワインを身近に

2021年4月にオープンしたヒロヤショップ吉祥寺セラーは、吉祥寺駅から井ノ頭公園への散策路にあたる七井橋通りにある。名店が立ち並び、にぎわいを見せる通りで、本格的な蔵出しワインの試飲や購入ができるようになった。
ヒロヤショップ吉祥寺セラーは、三鷹に本店となるカーヴを持つワインショップ。七井橋通りの吉祥寺セラーは、2店舗目に当たる。ヒロヤショップの自慢は、地下のカーヴで管理された蔵出し品質のワイン。現地のワイナリーで飲むのと変わらない品質を届けるため、インポーターも厳選されている。
吉祥寺セラーも、その品質を堅持すべく、ワインショップの造りにこだわり、三鷹の地下セラーに匹敵する管理を徹底。試飲室とセラーはガラスで仕切られている。そして、店の主役となっているのがセンターテーブル。ここで週末には無料試飲が実施され、蔵出し品質の味わいが気軽に試せるようになっている。店主の榊原崇弘さんは、飲んでもらえば違いがわかると自信を見せる。
「おいしいワインは飲むと“よだれ”が出ます。逆に品質の悪いワインは冷や汗が出ます。人間の味覚は正直です。ぜひ一度、当店のワインを試してみてください」
今後は週末の無料試飲だけでなく、センターテーブルを使って、さまざまな接客方法も模索中。まずは、吉祥寺の買い物や散歩がてら、“よだれの出るワイン”の味を試飲してみて欲しい。

センターテーブルでライブ感あふれる買い物を

ヒロヤショップ吉祥寺セラーの店主を務めるのは、榊原崇弘さん。1998年にオープンしたヒロヤショップ三鷹カーヴでは、さまざまな試行錯誤を経て、品質を重視した試飲会による注文販売や通信販売をメインにしてきた。吉祥寺セラーでは、ワインの蔵出しの味を多くの人に試してもらいたいと、対面販売を実施している。
「七井橋通りは平日でも一度も人が途切れない、にぎやかさがあります。これまではメール注文が中心でしたが、直接お客様と対面しながら売るのは、ライブ感があってアドレナリンが出ます(笑)。40代になって、新しい仕事のおもしろさや醍醐味を感じています」

実際、土曜日を中心に実施される無料試飲ではテーブルの周りにお客が集まり、井戸端会議のようにワインの話に花が咲く。ワインに詳しい人もこれから好きになる人も、輪になって榊原さんの話を聞けるのが楽しい。吉祥寺に訪れる人はもちろん、住人たちからも早くも支持を集め、新たな吉祥寺の名店となりつつある。

ブルゴーニュを中心にしたフランスワインを品揃え

セラーの中には、フランスを中心としたワイン約300種類、約700本が揃えられている。このうち8割がブルゴーニュワインで、扱っているのは40〜50生産者。ワインは1000円台から入手困難なワインまで種類は豊富。ギフト用に箱入りシャンパーニュも用意されている。店内は、ブルゴーニュがラインナップの中心になっていることについて、改めてその魅力聞いた。
「味が好きなのはもちろんですが、農家が造るワインで数量が多くないのも魅力です。毎年、異なる変化があって、ドラマもある。やはりブルゴーニュのワインには、ピノ・ノワールに欠かせない気品があります。濃すぎず薄すぎず、その中でエレガンスを発揮している生産者が好きですね。実際に、現地にも行きましたが、当店で扱っているワインには蔵としてのオーラや媚びない名声があります。そうしたものを扱えるのはうれしいですね」

ワインの品質については、本店の三鷹カーヴと同様になるよう、内装にさまざまな工夫が見られる。ガラス張りの路面店ではあるが、外のガラスは断熱UVカット効果の高いスペーシアを採用。内ガラスとの二重ガラスになっていて、紫外線や光の影響は限りなく抑えられている。温度や湿度管理は、天井に冷却器が設置されているため、冷たい空気が自然に下に落ちるしくみになっている。さらにセラースペースは一段低く設計されているので、冷気がまわるようになっている。風を使って冷却していないので、温度のぶれ幅が少ない。

さらに取引しているインポーターは、輸送体制の整ったフィネス社のみ。同社は、ワイナリーから蔵出しされたときから100%保冷車を使い、倉庫や港、船のコンテナ内でも保冷管理が徹底されている。ワイナリーからセラーまで、すべての過程で蔵元と同じ環境で熟成されているのだ。

店内のレイアウトをチェック

ショップは、品質管理のため、試飲室とセラースペースが区切られている。とはいえガラス張りのため、ワインに囲まれて試飲ができる。セラースペースはゆっくりと見てまわれるようになっている。

棚はガラス張りになっていて、値段も確認しやすい。

奥にはブルゴーニュの貴重なワインが静かに開くのを待っている。

足下に目を向けると、おもしろい仕掛けが隠されている。左は、バイアス状に組まれた試飲室の床。これは、ウィーンのニューイヤーコンサートが行われる音楽の殿堂・ウィーン楽友協会の床と同じ組み方。クラシックの音楽好きの榊原さんが特注したものだそう。また、入口通路の石の床は、井の頭公園の池の周りと同じ組み方になっている。これはすぐ近くの井の頭公園にちなんだもの。足下を気にしながら店内を巡ってみるのも楽しい。

おすすめはメオ・カミュゼのピノ・ノワール

メオ・カミュゼ ブルゴーニュ コートドール ルージュ キュヴェ エティエンヌ カミュゼ2019 5,720円

おすすめしてもらったのは、メオ・カミュゼの基本となるピノ・ノワール。

「ブルゴーニュの中でも、メオ・カミュゼ、ジョルジュ・ルーミエ、エマニュエル・ルジェの3生産者が好きです。メオ・カミュゼはこの中では比較的、入手しやすい生産者。2018年からはドメーヌものとネゴシアンものが分かれました。やはりドメーヌ者には魂や愛情が感じられますね。

メオ・カミュゼは濃すぎず、薄すぎず、真ん中のラインで常にぶれないおいしさがあります。比較的、量が多いことは作柄による品質をリカバリーするメリットもある。安定感のある味わいにつながります。ピノ・ノワールらしいエレガントさが感じられますね」

ヒロヤショップでブルゴーニュ ピノ・ノワールの入口にしたい1本。まずは、ここから蔵出し品質を味わおう。

イベントの案内はFacebookから

ヒロヤショップ吉祥寺セラーでは、金・土曜日を中心に無料試飲が開催されている。そうした告知は、Facebookで行われているので、フォローするのがおすすめ。また、こちらのアドレス(hiroyashop.wine@gmail.com)に、「氏名、案内希望」を書き添えてメールを送ると、新着ワインのお知らせが届くしくみ。興味のある人は、メールを送ってみよう。

ヒロヤショップ三鷹カーヴからの案内は、こちらのアドレスに(hiroyashop.wine@gmail.com)に、「氏名、案内希望」を書き添えてメールを送ると、案内メールが送られてくるしくみ。通常はイベントが開催されているが、現在は休止中なので、吉祥寺セラーの無料試飲などを入口に、その味わいを試してみることもできる。興味のある人は、メールを送ってみよう。

ヒロヤショップ吉祥寺セラー
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-17-9 メゾンブランカB-3
13:00〜19:00/日月祝休
0422-26-8570
https://www.hiroyashop.com/
Facebook:@hiroya.shop.B1

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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