WINE SHOP LUCY ワインショップルーシー(五反田)

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人をつなげるナチュラルワインショップ


ここ最近、人が集まる場としてのワインショップが注目されている。ワインを媒介にして、店内で開かれるイベントやテイスティングで盛り上がりを見せているのだ。なかでも、コミュニティづくりを目指す場として2020年8月にオープンしたのが「ワインショップルーシー」。店内には人と人とをつなぐ仕掛けがたくさん用意されている。

店の中央に位置するカウンターでは、常時5種類以上のワインが700円から有料試飲ができるほか、豆から挽いた淹れたてコーヒーも用意されている。それだけでなく、多いときは週3日イベントを実施。テーマを設けた試飲会や、魚や野菜のマルシェが開催されている。試飲会はワイン好きが集い、マルシェには大人も子どもも集まってくる。また、夕方18時からは同じ建物内で「SUSHI&NATURE(スシ&ナチュール)」がオープン。江戸前寿司と店内のナチュラルワインが気軽に楽しめる場となる。

昼と夜、平日と休日で異なる顔を持ちながら、スタッフがお客様とお客様をつなげる役割も果たしている。開店から2ヶ月ほどだが、すでにさまざまな人たちの交わりを生む土壌が完成。これからの展開も目が離せないワインショップなのだ。

サービスの現場で知った、人をつなぐ醍醐味

ワインショップルーシーの店主を務めるのは、佐藤陽祐さん。これまで飲食店のサービスを中心にキャリアを積んできた。「感動のサービスを生む」と評判のレストランに勤め、サービスの腕を磨いてきたこともある。その後、パーティー空間のあるレストランへ移り、結婚式や企業パーティも経験。人と人のつながりをサポートしてきた。退職後、ナチュラルワインを軸にしたワインショップを模索するなかで、スシ&ナチュールの料理人・吉岡義裕さんとも出会い、寿司とナチュラルワインを同じ建物で提供することに。さらに、インポーターや魚屋・八百屋が加わり、たくさんの仕掛けがあるワインショップが誕生した。こうした形態のワインショップにしたのは、佐藤さんにこんな思いがあったから。

「サービス業に十数年、携わってきて、人をつなげる醍醐味を感じてきました。ですから、ワインショップルーシーはワインを通じたコミュニティづくりの場であることを重視しています。ここでいろいろな人をつなぎたいと思っていますし、僕たち自身もいろいろな人とつながりたい。さまざまな反応が生まれる場所になったらおもしろいですね。なので、ここに来るのはワイン購入目的じゃなくていい。コーヒーを飲みながら、僕と話に来るだけでもウェルカムです」

同じ建物で営業中のスシ&ナチュールの吉岡さんは、日本料理や寿司で修業を重ねた和食一筋の料理人。店内で出される寿司はコクや甘みのある赤酢を使い、下ごしらえをした江戸前寿司や自然栽培の野菜を使った料理にワインに合う仕事を追求している。

「ワインに合わせる寿司というのは初めてですが、カウンターで毎日お客様の顔を見ながら仕事をしているので、その反応が勉強になっています。素材も仕事も新しいチャレンジですが、試行錯誤で日々進化していると思います」と吉岡さん。

メニューは、おまかせ(前菜5品、握り10貫、甘味・珈琲=¥7,000)、つまかせ(前菜=¥3,300)、酒肴¥2,200、グラスワイン¥770〜、店内ボトルワイン抜栓料¥1,000

これまで「寿司とワイン」というと、高級寿司店にオンリストされた高級ワインと合わせられることが多く、繊細な寿司と濃厚なワインがぶつかってしまうこともあった。

スシ&ナチュールでの寿司とのコラボは、やさしい味のナチュラルワインとのマリアージュで、パクパクと味わえるのが魅力。ワインはそれぞれ好みのワインをショップのセラーから探し、抜栓料1000円で気軽に味わえるのもうれしい。

寿司とワインを合わせるというと、白ワインのイメージが強いが、オレンジワインと野菜を使った料理、赤ワインと旬のきのこ寿司や赤身といった組み合わせは、かなり絶品だそう。夜の新しいワインショップの使い方にもトライしてみよう。

やさしい味のナチュラルワインや日本ワイン


店内にあるは、約300種類、1000本のワインが用意されている。そのうち、9割が自然派ワインで、寿司に合うようなやさしい味のワインを中心にセレクト。ワインは2000円〜3000円台が中心となっている。


また、全国の日本ワインも取り扱いがある。基本的には、会ったことのある生産者が中心で、応援したいと思うものが揃えられている。

店内のレイアウトをチェック

店内には、カウンターがあり、ここで有料試飲やコーヒーがゆっくり楽しめる。ワインはナチュラルワインが中心のため、セラーや冷蔵ケースでしっかりと温度管理されている。

おすすめは収穫を手伝った日本ワイン

「グルーヴ肉ヤロウ2019」イエローマジックワイナリー¥2,500

おすすめとして紹介してもらったのは、ご縁のある山形・南陽市のイエローマジックワイナリーのワイン。

「イエローマジックワイナリーは、滋賀県のヒトミワイナリーで30年以上、醸造家を務めた岩谷澄人さんが独立して、昨年開設されたワイナリーです。大学の先輩で何かとご縁があり、収穫もお手伝いしました。

栽培もご自身でやられていて、化学的な肥料や農薬を使わず、かなり自然に任せてブドウを育てているのを見ました。有核(種あり)のブドウにもこだわっていて、そこから出る旨みや酸味を大切にされています。

こちらのワインは、日本の肉料理に合う赤ワインをめざして造られたものです。肉専用といっても濃厚なだけじゃなく、ほどよく酸味があって口当たりも軽快。マグロや光り物にもあう赤ワインです」

日本らしさを大切にしながら、食事にもあう赤ワインをぜひ、試してみよう。

さまざまなジャンルのイベントを実施中


ワインショップルーシーでは、さまざまなジャンルの人たちと手をとり、イベントが開かれている。平日を中心に実施されているのは、主にインポーターを招いたワイン試飲会。産地などのテーマを切り口に10種類ほどのワインの説明を受けながらテイスティングできる。

土曜日を中心に実施されているのは、ワインショップルーシーが食のプロと組んだイベント。第2・第4土曜日は「魚屋鮴(さかなや・ごり)&Freefarm」とコラボした「ゴリナチュール」。第2土曜日は産地から直送された魚や野菜を利用した食事がいただける。第4土曜日は産地から届いた魚や野菜のマルシェがオープン。イベントでもワインショップルーシーの世界を楽しんでみよう。

WINE SHOP LUCY ワインショップルーシー
品川区西五反田7-3-7 TSTJ HOUSE
月〜金 14:00〜22:00、土 12:00〜16:00/日休
080-6646-9267
https://lucywine.jp
Facebook:@lucywine.jp
Instagram:@wine_shop_lucy

SUSHI&NATURE スシ&ナチュール
月~金 18:00〜23:00/土日休
080-9392-7176

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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