アンケヴィーノ!(ときわ台)

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テーブルで会話しながらワイン選び

ワインショップといえば、圧倒されるほどボトルがずらりと棚に整列する様子が思い浮かぶ。しかし、「アンケヴィーノ!」では、ワインボトルがテーブルの上に気さくに並べられている。そのため、雑貨屋さんでショッピングするような感覚で、ワインを身近に感じながら選ぶことができる。接客にあたるのも、親しみのある女性店主・鈴木知桂(すずき・ともか)さん。さまざまな場所でワインを提案してきた経験を活かし、食卓やシーンに合った1本を紹介してくれる。

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テーブルの上には、産地や生産者のくくりなく、ワインが並ぶ。ボトルネックに下げられた札を見ても、「Spicy」「Light & Fruity」など、味わいがアイキャッチになっている。これはワインを「固定概念なく選んでほしい」との思いから。「いまのワインは1本1本に個性があって、ボーダーレス。会話するなかで提案したいので、なんでも聞いてください」と鈴木さん。気取らない言葉でワインの良さを教えてくれる。

そのほか店内を見渡すと、おいしそうなチーズやソーセージなどもある。「おうちで乾杯したい」と思ったときに、ワインのある生活を届けてくれるお店だ。

ママも地元の人も幸せになれるワインを届けたい

お店のテーブルの向こうでいつも出迎えてくれるのは、店主の鈴木知桂さん。レストランでキャリアをスタートし、インポーターや百貨店のワイン売場で、ワインを提案する力を培ってきた。その間に、イタリアのソムリエ資格や国際的なワイン認定資格(WSET level3)も取得。グランヴァンから自然派まで、さまざまなワインを扱い、接客してきた。そして念願の自分のお店「アンケヴィーノ!」を2018年3月に開店した。

「店名の『Anche Vino!』は、『ワインも!』というイタリア語。いつもの食卓にワインも仲間に入れてほしいという思いを込めました」と、鈴木さん。自分のお店を開くに当たっては、「ワインを飲んでみたいけど詳しくない」「子育て中だから飲めない」と、考える人にも訪れてほしかったという。

「私も小さい子どもがいますが、本当はお酒好きなママって結構いるんです。レストランでの食事はなかなか難しいので、ワインと惣菜を買って、家飲みを楽しんでもらいたいですね。授乳中のママに向けては、ノンアルコールワインを提案しています。実際にワインとして醸造した後、アルコールを抜いているので、しっかりとコクがあるんです。制限があってもみんなが集まる場で楽しんでもらいたいと思います」。

食品やワイングッズを扱っているのも、「家飲みアイテムを1店舗で用意できるように」との思いから。沿線に住む人にはうれしい品揃えになっている。

個性第一。ほしいワインが見つかる品揃え

「アンケヴィーノ!」に並ぶワインの条件は、小規模生産者が丁寧につくったものであること。産地や造りにこだわらず、伝統国から新世界、クラシックから自然派までさまざまなタイプがある。こうして選び抜かれた約150~200種類のワインには、見逃せない個性がある。

「例えばトスカーナらしい土地の個性があるとか、その生産者らしい人柄が出ているものを選んでいます。どこで誰が造ったかわからない、ぼやっとしたワインは置いていません。流行っていても、ネガティブな要素があるのはおすすめできないので、きれいな味わいのものを選んでいます」と、基準を教えてくれた。

その先に目ざすのは、期待に応えるワインショップであること。
「ここに来れば間違いない、おいしいのが絶対ある、と思ってもらえるお店にしたいと思います」。

店内のレイアウトと楽しみ方をチェック

アンケヴィーノ

店内のレイアウトは至ってシンプル。テーブルにワイン、棚にワイングッズや食品がある。気になるワインがあれば、鈴木さんに聞いてみよう。記念日やプレゼント、手土産といった相談にものってもらえる。

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▲ テーブルの下には1000円台のワインがある。999円のワインであっても味はお墨付き。
「低価格でもコンビニのワインにはない味わい。これ1本だけでも立ち寄ってください」と鈴木さん

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▲入口付近には食品も並んでいる。鈴木さんが原料や造りに惚れ込んだものばかり。出身地・秋田のいぶりがっこやりんごジュースも。

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▲棚にはワイングッズや缶つまが並ぶ

▲棚の一角には、手作り作家の可憐なヘアアクセサリーも置かれていた

おすすめは、澄んだオレンジ色のジョージアワイン

「KISI(キシ) 2015」Pheasant’s Tears(フェザンツ・ティアーズ)¥3,000

おすすめとしてあげてもらったのが、アンフォラで造ったジョージアの白ワイン。日本でも人気が上昇し、価格も高騰しているが、手にしやすい価格なのもうれしい。
「このワイナリーのワインは、北欧のNomaという伝説的レストランにもオンリストされていたほど。ジョージアでアメリカ人の手によって造られています。日本にジョージアワインが入ってきたばかりの頃、濁ったものもありましたが、こちらはきれいなオレンジ色をしています。果皮や種も醸しているため、渋みやフレーバーが溶け込んでいて、紅茶のようなニュアンスもありますよ」。
きれいで風味豊かなオレンジワインを試したい人には、ぜひ手に取ってほしい。

週末は試飲アリ!BYOや定期便も実施中

「アンケヴィーノ!」では、週末ごとに無料試飲が行われている。季節に合わせたおすすめの2本が少量ずつグラスで試せる。これまでに「いぶりがっことワイン2種で500円」という企画もあったので、不定期で行われる有料試飲も期待したい。

そのほか、ワインを生活に取り入れるための取り組みもいくつかある。地元の人にうれしいのが「ときわ台でBYO」。購入したワインを500円で持ち込めるレストランがときわ台近郊に3店舗あって、好評を博している。「ワイン定期便」は、1カ月に3本ずつ(3カ月以上で申し込み)店主おすすめのワインがお得に届けられるサービス。もっとお得なのが、お店を初めて利用する人向けの「お試しワインセット」。さらに今後は、ワイン会も企画されている。イベント情報は、ホームページやSNSでチェックしよう。

Anche Vino! アンケヴィーノ!
東京都板橋区南常盤台2-6-1 リヴェールときわ台B
10:00~18:30
日祝定休
03-6326-5051
HP:https://anchevino.tokyo
FB:@anchevinotomoka
Instagram:@ anchevino

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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