イタリア文化を伝えるワインショップ



イタリアのワインショップにあたるエノテカには、たいていカウンターがある。お気入りのエノテカで食後にカフェを飲んだり、夕食前におつまみやワインで軽く飲んだりするのは、イタリア人の生活の一部。地元に行きつけの店があり、そこで毎日の習慣を楽しんでいる。

ビアンコロッソは、そんなイタリア流の食文化と現地の空気を伝えたいと、カウンターのあるワインショップを開店。カウンターには常時10種類のグラスワインが600円から用意され、チーズや生ハムも注文できる。店内を進むと、直輸入したイタリアやスペインのワインがずらり。ここは、仙石というインポーターの直営店でもあり、現地の買い付けスタッフが接客にもあたっているので、産地の文化や空気も伝えてくれる。そこにあるのは、ワインを親善大使として産地と日本を繋ぐ伝道師でありたいとの思い。最近では、カウンターでイタリアの収穫の様子を観ながら、グラスワインを傾けることもできる。

ワイン産地を食文化ごと感じられるワインショップなのだ。

イタリアとスペインを愛するスタッフがおすすめ

左から取締役の仙石恭子さん、店長の樋口美香さん。

2016年6月に開店したビアンコロッソ中野店は、和歌山にあるインポーター・仙石の直営店。和歌山にもビアンコロッソ和歌山店があり、直営店は2号店にあたる。大消費地の東京にも実店舗を構えたいとオープンした。仙石は、2007年から酒販部でイタリアやスペインワインを中心に直輸入販売をスタート。イタリアワインを多く扱っているのは、取締役の仙石恭子さんがイタリアに惚れ込んだことがきっかけの1つ。

「インテリアデザインを学ぶために、ミラノとフィレンツェに2年半住んでいたことがありました。私自身、和歌山生まれで地方出身なんですが、イタリアは田舎に行けば行くほど魅力があるんです。みんな生活にこだわりがあって、世界を魅了するほどのレストランがよくある。そういうところに刺激を受けました」

その言葉からはイタリアワインだけでなく、食文化そのものを愛しているのが伝わってくる。店内にあるワインもそうした産地のよさを表したワインが並んでいる。仙石さんは、「現地でワインを選んでいるからこそ、わかることを伝えたい」と店頭で接客することもある。

そして、ビアンコロッソ中野店の店の顔となっているのが、店長の樋口美香さん。仙石さんがイタリア愛に溢れた人なら、樋口さんはスペイン愛の人。樋口さんもスペイン語が堪能で現地に住んでいたこともある。その経験を活かし、イタリアとスペインのワインを初心者にも伝わりやすく紹介している。

「コロナ以降、ワインに興味が出てきたから飲んでみたいという方がすごく増えています。そういった方に難しいと感じさせないようにわかりやすく、でも適切に伝わる言葉を選んでおすすめしています。せっかくワインに興味を持っていただいたので、敷居が高くないことをを伝えたいですね」

ワインを食文化とからめ、むずかしさではなく楽しさとして伝えてくれる。

産地の特徴が表れたワインを飲んでほしい


ビアンコロッソには、約250種類のワインが棚に並んでいる。イタリアワインが7割を占め、2.5割がスペインワイン。いずれも直輸入されたものだ。残りは、仙石と同じような志をもつインディーズインポーターのワインもある。直輸入ワインを選ぶときのポイントは、「エリアの特徴が表れたワイン」だと言う。

「そのエリアのワイン造りにおける特徴や文化、歴史を考えたときに、日本に存在すべきだなと思うものを選んでいます。これまで日本に紹介されていないものが中心になってくるので、最近ではロンバルディア州のワインが多くなっています。一見、マニアックな産地ですが、紹介したいと思うワインを発掘できるエリアです」と仙石さん。

また、スペインではリアス式海岸で有名なガリシア地方に力を入れている。ガリシア地方といえば、アルバニーリョやゴデージョ、メンシアなどの地場品種でのワイン造りが盛んなエリア。

イタリア、スペイン、その他の国のワイン。いずれも新しい発見がある品揃えとなっている。

店内のレイアウトをチェック

扉を開けて、真っ先に目に入ってくるのがカウンター。その奥にイタリアワインがぎっしりと棚に並んでいる。右奥には、スペインワインや他のインポーターの各国ワインが揃う。カウンターにチーズや生ハムがあったり、パスタやオリーブオイルなどの食品もある。

店内右奥のスペインワインコーナー。こちらの一角には、絵画や生産者のサインも並び、アトリエのような空間となっている。


ワインセラーには、ヴィンテージワインが眠る。直輸入ワインのバックヴィンテージのほか、イタリアから買い付けてきたセラーストックのワインも。60年代や70年代のワインもあり、それらはグレートヴィンテージを中心に揃えられている。


ワインのボトルネックからは、わかりやすくワインや味の情報が手描きの札が下げられている。

カウンターの冷蔵ケースには、チーズや生ハムも用意。カウンターで注文したり、購入して持ち帰ることができる。

デイリーに飲める1500円程度のお家ワインもある。

パスタやラスク、ジャムなどの食品は、思わず手にとってしまうかわいさ。

おすすめは長熟できるロンバルディア州の白ワイン

「ルガーナ リゼルバ2016」テヌータ・ロヴェーリア¥3,500(税抜き)

おすすめとして紹介してもらったのは、イタリア・ロンバルディア州の白ワイン。

「ガルダ湖というイタリアで一番大きい湖の湖畔に広がるルガーナという原産地呼称のトゥルビアーナで造った白ワインです。イタリアワインは白ワインで長期熟成できるものが、意外と絞られます。マルケ州のヴェルデッキオ、ピエモンテ州のシャルドネやティモラッソ、ガヴィ、カンパーニャ州のフィアーノなどが代表的です。ルガーナのトゥルビアーナもそこに加えらるポテンシャルが高いブドウです。

実際こちらの90年代のワインを飲みましたが、見事な熟成で今でも楽しめました。樹齢50〜60年の樹を使っていて、リースリングを思わせるハチミツの風味があり、酸も果実味も高い。なかなか他の国のワインにない味わいです」

ビアンコロッソには、同じ生産者のカジュアルタイプの2000円台のワインもある。イタリアの高級白ワインに加えられる、ポテンシャルをぜひ味わってみてほしい。

生産地とライブでつなぐイベントを実施


ビアンコロッソでは、生産者とのつながりを活かしたライブ感あるイベントを実施中。9〜10月の収穫期には、イタリアの畑とオンラインでつなぎ、仙石さんが通訳しながら、お店やYoutubeで流すイベントをやった。今後も、現地のライブ感を感じられるイベントが企画されているので、ぜひチェックしてみよう。
また、海外旅行がしやすくなれば、生産者を招いてカジュアルなパーティも実施される。時空を超えて、イタリアやスペインの魅力をワインとともに楽しんでみよう。

BIANCOROSSOビアンコロッソ
中野区中野4-7-8
03-5942-6058
平日14:00〜22:00、土日祝13:00〜21:00、火曜休
https://www.biancorosso.co.jp/
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