アフリカー a2 by af-liquor(水天宮前)

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通いたくなる南アフリカワイン専門店


新しいプレミアムワインの産地として、注目を集める南アフリカ。品質の割に値ごろ感があるほか、自然環境に配慮したワイン造り、新世代の台頭など話題に事欠かない産地だ。

そんな南アフリカワイン専門店として、東京の南アフリカ・ワインシーンを牽引してきた「アフリカー」が、2020年6月に日本橋・水天宮前に移転。都心からのアクセスがよくなっただけでなく、パワーアップしたことで新しいファンを増やしている。

店内の1F部分は、まるでガラス張りのライブラリー空間。木棚にずらりと並んだワイン回廊を巡るたび、好奇心がくすぐられる。地下にはワインセラーがあって、タイプ・品種ごとに並ぶのを探し歩くこともできる。


ワクワクするような仕掛けは店内の随所に散りばめられている。まず利用したいのが、試飲サーバー。事前にコインを買って、常時6種類のワインを試すことができる。週替わりなので、毎週訪れるたびに新しいワインに出合える。さらに試飲グラスも6種類と豊富に用意。リーデルのソムリエシリーズ・ブラックタイやジャンシス・ロビンソンなど、ワインファンなら試してみたいグラスで味わえる。

そのほか、南アのワインガイド「プラッターズガイド」や54種類のワインアロマキット、南アの産地マップなどがあり、飽きることがない。おもしろさがざくざくと発見できるサービス精神にあふれた店づくりとなっている。

現地で南アワインに惚れ込み、専門店を開店


アフリカーの店主を務めるのは、小泉俊幸さん。もともとシステムエンジニアだった小泉さんがワインにハマったのは奥様の影響。ワインが生活の一部になるのに時間はかからず、気付けば世界中のワインが大好きになっていた。そして、会社を退職した後、夫婦で2年以上かけて世界旅行に出かけ、滞在した国の1つが南アフリカ共和国だった。

「ワインショップでワインを買って南アフリカ中を巡るという生活をしていたんですが、どのワインもおいしかった。実際にワイナリーを訪ねてみると、山ごとに天気が変わる特徴にも気づきました。旅を終える頃には、いつか南アワインを販売する仕事をやろうと決めたんです」

帰国後、日本で中古車輸出販売の仕事に就きながら、ワイン販売の方法を模索。旅から3年後の2015年9月に「アフリカー」を開店。当初は、自宅の一角をセラーにして、ネット通販のみでスタートした。折しも、南アが注目されていた頃。レストランで南アワインを飲んだ人やワインブロガーなどの目に留まり、売上も順調に伸び、2017年には東京・足立区に倉庫兼店舗を開店。実店舗での営業も始まった。すると、専門店という珍しさもあり、「出張に来たついでに」と、大阪や九州などからもアフリカーファンが訪れることに。東京駅や各空港からもアクセスの良い現在の場所に移転を決意。2020年6月に「a2 by af-liquor アフリカー」としてオープンした。

現地を巡ってワインに惚れ込んだ末に、店まで持った小泉さん。それくらい南アワインには魅力があると言う。
「試飲会で世界中のワインと並べても、品質は際立っていると思います。それは一般の方もソムリエからも言われます。一方で、まだまだ未開の産地もあって、コロンバールやタナ、ポルトガル品種などが造られているエリアもあります。発掘するおもしろさもある産地なので、店内で好みの1本を見つけてください」

小泉さんは朴訥とした語り口ながら、情熱を持ってお客様の期待に応えようとワイン選びを手伝ってくれる。南アフリカに関することはなんでも聞いてみよう。

南アフリカ各地のワインをくまなく品揃え


アフリカーは、約400種類・2000本の南アワインが揃い、東京・随一の品揃えを誇っている。メイン産地である西ケープ州ケープタウン周辺のワインだけでなく、それ以外の産地のワインもくまなく品揃え。小泉さんの注目産地は、内陸部の北ケープ州カルー周辺。海岸沿いに発展した産地が多いなか、内陸部のカルーは標高が高く、乾燥した土地で品質の高いワイン造りに期待が持てるという。

ワインのタイプもさまざま。現在、国内インポーターで南アワインを扱う会社は20社以上あるが、ほとんどのインポーターと取引きがあり、大手のインポーターもあれば、小規模な自然派インポーターのワインもある。また、直輸入ワインも5生産者ほどあり、自身も南アの動向を見守っている。ワインは、850円からあり、2000〜3000円台の価格帯が中心。バラエティに富んだ南アフリカワインの世界を発見できる店だ。

店内のレイアウトと楽しみ方をチェック


店内は、1FフロアとB1Fのワインセラーに分かれている。1Fフロアはデイリーワインや新入荷ワイン、試飲コーナーなどがあり、毎日のワインライフを充実させてくれるエリア。試飲しながら店内をまわってもらううちに、いつの間にかお気に入りの1本が見つかる店づくりにしたいというねらいがある。


カウンター上の試飲コーナーには、試飲サーバーとグラスが6種類用意されている。その隣には、アロマキットやウォーターサーバーも。試飲サーバーはコイン式で、1回30mlで1コイン300円、3コイン800円、6コイン1,500円で販売されている。その下の棚は、直輸入ワインが並んでいる。

落ち着いて試飲したい人には、小さなテーブルやイスも用意されている。

地下ワインセラーは、タイプや品種ごとに分けられている。コレクションワインもあり、思わぬお宝に巡り会えることも!


基本的には南アフリカ専門店だが、一部アルゼンチンワインも19種類ほどある。

おすすめはオールドヴァインからのワイン

「リタイアメント@65」ブランク・ボトル ¥4,200

おすすめとして紹介してもらったのは、ブランク・ボトルの「リタイアメント@65」という樹齢65年のブドウ樹から獲れたブドウを使ったワイン。

「南アフリカには、古木を保全しようとする“オールド・ヴァイン・プロジェクト”という取り組みがあります。このブランク・ボトルという生産者もそれを支持する一人。こちらのワインへも樹齢65年のブドウの樹からとれたブドウが使われています。

実は、それまでは畑は荒れていて、まともにワインが生産されていなかったのですが、ブランク・ボトルが畑を整備してから力を発揮することになりました。ワイン名のリタイアメント@65は、「定年65歳」という意味。普通はリタイアするような年齢で働き始めたことを象徴した名前です。

こちらのワインには、サンソーとシラーが8:2ブレンドされています。サンソーの優しい果実味に、シラーのスパイス感をじわっと感じるエレガントかつなめらかな味わいです」

ストーリーも味わいにも奥行きが感じられるワインだ。

キャンペーンやイベント情報はSNSから


アフリカーでは、キャンペーンやイベントでさらに店内を楽しむことができる。現在、SNSにハッシュタグ付きで投稿すると、試飲コインが1枚サービスされるキャンペーンを実施中。たくさんの南アワインが楽しめる試飲イベントも1、2ヶ月に一度開催されている。お得で楽しい情報発信は、SNSをチェックしてみよう。

アフリカー a2 by af-liquor
中央区日本橋蠣殻町2-6-8
03-6231-0264
12:00〜20:00/月定休
https://af-liquor.com/
Facebook:@afliquor
Twitter:@Toshi_Koizumi
Instagram:@af_liquor

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 近所に住んでいていつかいつか入りたいと思ってました。
    この記事を読んですぐにでも行ってみようと思いました。
    近々必ずや訪れさせて頂きます。
    このご時世でも、試飲は出来るのでしょうか?
    先週、中にいらっしゃたような。。
    たのちみです!!

    • コメントありがとうございます。アフリカーさん、楽しみ盛り沢山のお店なので、ぜひ行ってみてください。このご時世ですが、ワインショップの試飲には規制がかかっておりません(自粛されているお店もありますが)。アフリカーさんでも試飲はできるようです。店主の小泉さんはとてもおもしろい方です。ぜひ、いま注目の南アワインの魅力について聞いてみてください🎶

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