ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京│Legrand Filles et Fils

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パリの老舗ワインショップ初の海外旗艦店

ル・グラン・フィーユ・エ・フィス東京の1F

「ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京(ルグラン東京)」は、1880年にパリで創業された老舗ワインショップ「ルグラン・フィーユ・エ・フィス」の初の海外旗艦店として2022年12月に広尾にオープンした。パリのルグランは、ワインの本場フランスでも屈指の歴史を持つワインショップ。生産者から直接ワインを仕入れて売った最初のワイン商としても知られている。

ルグラン東京は、こうした歴史とエスプリを受け継いで、フランス各地からワインを厳選。ルグランとつながりの強い生産者のワインはもちろん、直輸入ワインも用意されている。そのため、日本でここでしか買えない希少なフランスワインもある。

店内は「グランドクラシック」をコンセプトに、木製のワイン棚やモザイク柄タイルが設えられ、ルグラン本店を彷彿させる古き良きパリのワインショップの雰囲気が表現されている。開店当時の写真や販売当初のDRCの広告ポスターなども飾られており、ワインショップの歴史にふれることもできる。

1Fはワインショップのほかにワインバーやカフェテラスもあり、ワインやコーヒーをチーズやパテのプレートとともにいただくことができる。地下にはバックヴィンテージが中心のワインセラーと、試飲会などが開催されるイベントスペースもある。ワインの本場の文化を感じながら、ゆったりと時間を過ごせるワインショップとなっている。

ルグラン・フィーユ・エ・フィスとは?

1880年にパリのパレ・ロワイヤル近くのラ・バンク通りに、食料品店としてフランソワ・ボージュによって開業された。店では当時の流行りであったスパイスやコーヒー、紅茶などが売られ、繁盛した。その後、兵役義務を終えたピエールとアレクサンドルのルグラン兄弟が事業を引き継ぎ、第二次世界大戦後にはピエールの息子ルシアンが事業を継承。ルシアンは食料品のほかにワインをメインに売っていくことを決め、ワインショップとしての歴史がスタート。ルシアンのワインへの情熱は、ジャーナリストや芸術家、著名人を引き寄せ、このあたりの顔となったほどだった。

1980年代になると、それまで売られていたバルクワインではなく、生産者から直接買い付けてパリで売るという革新的なしくみをつくり、世界ではじめてワイン商という職業を誕生させた。仕入れたワインはルグラン・セレクションとして販売され、好評を博す。80年代半ばからは娘フランシーヌが店を継承。ルグランセレクションを引き継ぎつつ、ワインメーカーを呼んだイベントやワインテイスティングという初めての試みをスタートさせた。

現在もルグランはパリで最も華やかなパッサージュであるギャルリー・ヴィヴィエンヌにあり、パリ市民に愛されている。さらにはアイコニックなワインショップとして世界中の人が訪れる名所にもなっている。

フランス各地のワイン500銘柄を厳選

ルグラン東京では、フランスワインのみ500銘柄を取り扱っている。フランスワインを扱っているワインショップは多いが、フランスワイン専門店は意外にも少ない。こうした専門店ではボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュの銘醸地のワインはもとより、これ以外の産地のワインに巡り会えるのがうれしい。

「ルグラン東京では、南仏やローヌ、ロワールなどの地域のワインも充実しています。こうした産地のワインは値段もさほど上がっておらず、良質なワインがたくさんあります。銘醸地だけでないフランス全体の楽しさを感じてください」店長のハート・ショーンさん。

もともとルグランパリ本店は、有名なワイナリーはもちろん、地域の名士や小さな生産者とのつながりが強いことで知られている。ルグラン東京では、こうしたワインが特別に取り引きされて直輸入されている。ぜひ、ルグラン東京にしかないフランスワインを探してみよう。

編集長・岡本

直輸入されているワインのなかには、かなり良心的な価格で販売されているものもありました。通常6000円程度のワインが4000円程度になっていることも。ぜひ、見つけてみてください!

デイリーワインも気軽に買いにきてほしい

店長のハート・ショーンさん

ルグラン東京の店長を務めるのは、ハート・ショーンさん。アイルランド人の両親を持ち、アメリカで育ったショーンさんだが、ハイスクールを卒業後に来日。1年間の語学習得の後、日本の大学に入学し、在学中にワインショップでのインターンやソムリエのアルバイトを経験し、ワインの道へ進むことを決意した。大学卒業後はレストラングループの運営会社に入社すると、同社のワインディレクターを務めていたマスター・オブ・ワインのネッド・グッドウィン氏のもとで、レストランで提供するワインセレクトの研鑽を積んだ。グッドウィン氏の退任とともにワインディレクターに就任し、レストラン運営やワインコンサルティングのキャリアを歩んだ。そして、2021年にルグラン東京の運営会社に入社。オープン時から店長を任され、この春にはパリ本店での販売やプリムールテイスティングの研修を経験し、ルグランの伝統を伝えている。

「高級感のあるワインショップですが、実はデイリーワインもルグランの得意分野です。また、有名ワイナリーだけでなく、小さな生産者とのつながりもあります。棚を見ているだけではわかりにくいので、ぜひ声をかけてください」とショーンさん。

ショーンさん以外のスタッフも資格を有し、なかには15年間ブルゴーニュのワイナリーに勤務していた経験があるスタッフも。おすすめやアドバイスをもらいながら、ワインを選んでみるのがおすすめだ。

編集長・岡本

実際にワインは1,800円からありました!(取材時)

店内のレイアウトをチェック

ルグラン東京は、1階と地下1階の2フロアで構成されている。1階にはワインショップ、バーカウンター、カフェスペースがあり、地下1階にはワインセラーとイベントスペースの「サロン・ルシアン・ルグラン」がある。

直輸入ワイン

パリのルグラン本店の写真が飾ってある白い柱の周りには、直輸入のワインがある。ルグランの生産者とのつながりを活かした希少なワインが並ぶ。いくつかの畑やバックヴィンテージがそろったものもある。

入口付近の季節のおすすめ

ワインの棚は、ブルゴーニュ、シャンパーニュなどほとんどが産地ごとにわかれている。入口近くには、季節のおすすめ特集の棚がある。

1階の奥にあるバーカウンター

店内にはテラス席(夏季や雨の日はガラス戸が締め切られている)とバーカウンター(コントワ)があり、いずれでもワインやカフェが楽しめる。グラスワインは、スパークリング2種類、白ワイン5種類、赤ワイン5種類、店長のおすすめ4種類が1,100〜5,000円で用意されている。また、店頭で購入したボトルワインは、抜栓料2,000円で店内でお得に味わうこともできる。食事もチーズやシャルキュトリなどのおつまみ、ブフ・ブルギニオンなどのプレート料理があり、ワインとともにおいしい時間が過ごせる。

またこちらは2023年9月開校予定の「レコール・ルグラン」の会場にもなっている。毎月、第二日曜11:00〜13:00に、全日本ソムリエチャンピオンの井黒卓氏を講師に招いた全6回(1回ずつの受講も可)の授業。一流のソムリエからワインを楽しく学ぶことができる。


ワイングッズの棚

入口からすぐ右手の棚には、ソムリエナイフやワインバッグなどのルグランオリジナルのワイングッズが販売されている。下段の絵皿は、ブドウが芽を出してからワインを瓶詰めするまでのワイン造りの12ヶ月の農作業や醸造作業を描いた12枚セット。ワインバーのプレートとしても利用されている。

地下にある鍵のかかったワインセラー
1937年のオールドヴィンテージのワインを発見!

地下には、気温や湿度、暗さが徹底管理された鍵のかかったワインセラーがある。こちらには、オールドヴィンテージワインを中心にしたワインが眠っている。ルグランは、正規代理店となっているワイナリーや、バッグヴィンテージを専門に扱っているグループ会社があり、ワイナリー蔵出しのワインや本物のワインだけが取り引きされている。そのためバックヴィンテージのワインも状態が非常に良く、安心して購入できるものだけが置かれている。

ワインセラーにあるのはボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワインが中心で、1930年代から2000年代くらいのワインが多い。DRCやアンリ・ジャイエのような人気の高い高価なワインもあるが、2万円以下で購入できる70年代のボルドーや80年代のシャンパーニュなどもある。また、正規代理店となっているシャトー・ラ・フルールが2009年のマグナムボトルを発見した。シャトー・ラフールはポムロールのトップシャトーでペトリュスに匹敵するともいわれるワイナリー。思わぬ掘り出し物が見つけられるかもしれない。

コレクターはもちろん、記念日やプレゼントにも気軽に利用できる。鍵は1階のスタッフに伝えれば、予約なしで随時開けてもらえる。

地下1階には、イベントスペース「サロン・ルシアン・ルグラン」がある。約70㎡の広さがあり、立席約40人、着席28人が収容できる。ワイン会や試飲会はもちろん、懇親会やセミナー、ミーティング、展示会にも利用可能。レンタルスペースとして2時間5万5,000円で利用できる。

おすすめは、直輸入の希少なボルドーワイン

シャトー・ド・ミルリー2011

ショーンさんのおすすめは、ルグランで直輸入されたレアな赤ワイン。

「私はボルドーの赤ワインが好きなのですが、なかでもお気に入りがサンテミリオンのシャトー・ド・ミルリーです。こちらは、シャトー・フィジャックのオーナーであるマノンクール家が所有する小さなシャトーです。醸造チームや畑のチームはシャトー・フィジャックと同じで、年間生産量はわずか約4,000本。これまで日本では販売されておらず、8割は近くのレストラン、2割を家族と主に地元で消費されていました。ルグランはパートナーとして今回、日本に輸入することができました。

ワインの味わいは、フィジャックと同じようにしっかりした中にフレッシュ感があり、バランスが素晴らしい赤ワインです。ルグラン東京では、2011年のヴィンテージから用意があります。いまなら、お好みのヴィンテージをお買い求めいただけます」

情報キャッチはSNSからのメルマガ登録がおすすめ

ルグラン東京では、ワインの試飲会やワインと音楽のイベントなどが開かれている。イベント情報は、インスタグラムなどのSNSでも発信されているが、メルマガ登録をするのが最もおすすめ。メルマガ登録はインスタグラムの固定ストーリー「メルマガ登録」から登録できるようになっている。ここでしか体験できない特別なイベントもあるので、ぜひ登録してみよう。

ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京

東京都港区南麻布5-1-27
TEL:03-5424-6041
営業時間:12:00~21:00(土日祝は11:00~20:10)
定休日:月・火曜
Instagram:@cavelegrand_jp

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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