ワイナリーを身近に感じられる都市型ワインセラー

アメリカやオセアニアのワイナリーには、セラードアと呼ばれる試飲販売所が併設されている。訪れたワイナリーのワインを楽しみながら、歴史や思いにふれることができる場所だ。2021年7月に開店した「セラードア青山」のコンセプトは、“都市型セラードア“。通常、現地ワイナリーのセラードアでしか味わえない体験が都市で実現できるというもの。このコンセプトは、同店を運営するインポーター・ジェロボームの思いによるところが大きい。ジェロボームは、アルザスのヒューゲルファミリー、南ローヌのシャトー・ド・ボーカステルのペラン家、シャンパーニュのポル・ロジェが出資した会社。自分たちと同じように、環境に配慮した家族経営のワイナリーによるファインワインを日本に輸入する目的で設立された。つまり、セラードア青山は、直輸入したワイナリーの思いを伝え、生産者とお客様の距離を近づけたいと設けられた場なのだ。

店内には、ワイナリーが誇るトップキュベや蔵出しのバックヴィンテージなど、通常は卸していない特別なワインも並ぶ。フロアは、ショップスペースとバースペースに分かれているが、それぞれ「ザ・ブティック」「ザ・サロン」と称され、ひとつ上のワイン体験を提供したい思いがうかがえる。実際、ブティックでは空間デザイナーによる美しいディスプレイが楽しめ、サロンでは繊細な料理とともにグラスワインがいただける。都心で上質な世界のワイン体験ができる店となっている。
*バースペース「ザ・サロン」は、2021年10月8日にオープン予定。

価格だけではわからない価値を伝えたい

セラードア青山のマネージャーを務めるのは、漆谷剛さん。新卒で、全国に店舗を持つワイン専門商社に入社して以降、ワイン一筋のキャリアを持つ。これまでワインショップの店長や店舗の立ち上げ、海外勤務など豊富な経験がある。特筆すべきキャリアとして、デパート内店舗で100種類が並ぶロゼワインコーナーを作ったり、フランスのグランメゾンが所蔵するワインを日本人向けに展開する店舗立ち上げの中心となってきた。その後、2020年にジェロボームに入社。セラードア青山の立ち上げを当初から任された。
ジェロボームでは、これまでもECサイトは存在し、一般のお客様がワインを購入できるしくみがあった。しかし、ECサイトで伝えられることは限られてくる。初めてとなる実店舗では、その発展型として漆谷さんたちスタッフが力を発揮し、ワイナリーの思いを伝える。

「ECサイトでワインを購入するとなると、値段が決め手の中心になってしまいます。特に高価なワインだと、値段だけ見ても何がいいのかわかりません。セラードア青山では、専門スタッフがワインの価値を伝えることで、おいしさの理由を伝えています。あわせて、ワインの飲み方や楽しみ方も提案するのも大切な役目です。ショップスペースをワインブティックと名付けているのは、そうした特別な空間としての表れ。何でも相談できる環境で、落ち着いてワインを選ぶことができます」と漆谷さん。

こうしたサービスを実現するため、漆谷さん以外のスタッフも精鋭ぞろい。若手ソムリエコンクールでの優勝者や長くジェロボームに勤務し生産者を熟知したスタッフなど、スキルは高い。そのため、お客様を新しい世界へ誘ってくれる体制となっている。ワイン情報をアップデートできる場、そして体験できる場として活用したい。

蔵出しヴィンテージワインなど限定ワインも品揃え

店内には、ジェロボームが直輸入したワインを中心に1200種類もの品揃えがある。フランスやイタリア、ドイツ、スペイン、ポルトガルのヨーロッパワインはもちろん、レバノンやオーストラリア、アメリカ、ニュージーランドなど世界各国のワインが並ぶ。どれも環境に配慮した家族経営のワイナリーというベースがあるので、おのずと哲学や表情のあるワインが揃っている。ジェロボームのワインの他には、小会社のワインダイヤモンズで輸入されたオーストラリアやスペインの自然派ワインも並ぶ。

さらにセラードア青山の目玉となっているのが、ワイナリー蔵出しのヴィンテージワインといった限定ワイン。ワイナリーで寝かせ、時を経て飲み頃となったものが、セラードア青山に並んでいる。そのなかには、ペトリュスなど特別に輸入された高級ワインも。時期によってそれらのワインが入れ変わるため、足しげく通いたくなるセレクトとなっている。

店内のレイアウトと楽しみ方をチェック


店内は、ショップスペースの「ザ・ブティック」とバースペースの「ザ・サロン」の2つで展開されている。ゆったりとしたスペースは、テーブルごとに4つの空間を形成しているかのよう。1つずつ巡ってみよう。

4つのテーブルは、それぞれにテーマがある。手前右の棚は、シーズントピックスをテーマにその時期に飲みたいワインがフィーチャーされている。このときのテーブルはロゼワインを主役に、バカンスの雰囲気が表現されていた。

博物館の展示品のように並ぶワイン。目の高さに並べられ、見やすく設計されている。詳しく知りたいことがあれば、気軽にスタッフに聞いてみよう。

ワイナリー蔵出しのバックヴィンテージワイン。同じ銘柄の70年代、80年代、90年代のワインが揃っていることもある。

オーストリアのハンドメイドグラスメーカー「Zalto」のグラスは全種類揃っている。全国的に品薄が続いているが、輸入元ならではの品揃え。

バースペースの「ザ・サロン」。常時グラスワインは10種類、スペシャルな有料試飲も用意。ポル・ロジェのグラスシャンパーニュは、1,000円で提供されている。おつまみは、リエットやパテなど、手の込んだビストロメニューが並び、ワインバーとしても極上の体験ができる。さらにショップで購入したワインは、持ち込み料無料で飲むことができる。もちろんグラスは、Zaltが使用される。

今後、こちらではイベント開催が考えられており、現地の生産者と店内の大型モニターをオンラインでつないだメーカーズディナーなどが計画中。楽しみは尽きない。

おすすめは、直輸入された2つのワイン

左/ルチアーノ・サンドローネ カンヌビ・ボスキス2009 ¥28,600(税込み)、右/ミラヴァル ロゼ2020 ¥3,740(税込み)

おすすめとして紹介してもらったのは、ジェロボームを代表する2つのワイン。
「左は、ルチアーノ・サンドローネという生産者のワインです。漫画『神の雫』で使徒のワインの1つとして紹介されたことでも知られるカンヌビ・ボスキスのバローロです。有名ワインなので色々な入手方法がありますが、ジェロボームがダイレクトに輸入しているので、品質はそのまま。2009年と蔵出しのバックヴィンテージですが、プレミアムな価格にはなっていません。

ルチアーノ・サンドローネは、バローロ・ボーイズの1人で、モダンできれいな造りをしています。バローロの渋みが苦手な方でもブルゴーニュを飲んでいる感覚で飲めるエレガントなワインです」

もう1つは、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが購入したことで有名になったプロヴァンスのロゼワイン。
「ミラヴァルは、近年のロゼブームにあって、最もプロヴァンスロゼを体現したワインです。ロゼワインというと、香りも見た目も華やかですが、プロヴァンスロゼは意外に味わいがタイト。潰した赤い果実やチェリー、花の香りが漂いますが、海のミネラルが加わってシャープな印象。そのため、ムール貝やあさりなどの貝類と合わせるのがおすすめです。ほかにもミラノサラミなど脂のある料理とも好相性。海のロゼは、キリッと冷やして、そうした料理とあわせてみてください」



会員登録すれば10%オフで買い物

セラードア青山では、無料の会員登録をすると、全品10%オフで購入ができる。当日、店頭での登録も事前にホームページからの登録も可能。いずれにしてもお得に購入できるので、サービスを利用したい。イベントは、週末にセットの試飲が出されるなど、続々と企画されている。ぜひ、SNSやホームページでチェックしてみよう。


セラードア青山

港区南青山2-27-18 パッサージュ青山2F
03-6804-5200
火〜土 11:00〜20:00、日・祝 11:00〜19:00、月定休
(ザ・サロン 2021年10月8日よりオープン、
16:00〜21:00/LO20:00、日・祝・月休)
https://cellardoorfinewine.jp/
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Instagram:@cellardooraoyama