2019年2月、ワインショップの店主が集う「東京ワインショップ会議」を開きました。そこで、「いまの東京ワイントレンド」をテーマに座談会を実施。のどを潤すのは、やっぱりワイン。今回は、店主たちが持ち寄ったワイン6本をご紹介します。

会場となったのは、原宿sora an。庄内野菜と三元豚、手打ちそばが魅力のお店です。店主たちは、どんな視点で選んだ1本を持ち寄るのでしょうか? 選んだ理由とともに教えてもらいました。

ラ・カンティネッタ多摩川 藤林さんの1本

IMG_0071「Collio Friulano」(コッリオ フリウラーノ)2015」Schiopetto(スキオペット)

スキオペットは、イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州で、“フリウリ白ワインの父”と 称される偉大な造り手。フリウラーノ100%で造られ、ステンレスタンク8ヶ月、瓶熟成3ヶ月。

ほぼイタリア専門の藤林さんは、やはりフリウリ=ヴェネツィア州の白ワインを持参。「袋から出したときに『ドイツワイン持ってきた?』という顔をされましたが、イタリアです(笑)。スキオペットは、僕自身が好きな造り手で、安定した品質が魅力です。例えば、2014年はイタリア全土が良くなかった年だったんですが、ここだけは別格の味わいを見せてくれました。フリウラーノというのは、フリウリやヴェネトで造られている品種です。オレンジワインでも使われていますが、あえて正統派の白ワインに仕立てたものを持ってきました」

普段から、白&ロゼ推しかつエレガントで正統派の造りを重視する藤林さんらしいセレクション。会のスタートにぴったりの引き締まったきれいな味わいでした。

SASALA出渡さんの1本

IMG_0073「“Ca’ Perlar Lugana 2016(DOC)カペルラ ルガーナ」Aldegheri(アルデゲーリ

イタリアヴェネト州の造り手アルデゲーリの白ワイン。トレッヴィアーノ・ディ・ルガーナ90%、シャルドネ5%、その他5%。ガルダ湖周辺にある氷堆石の丘で、石灰石や砂・砂利が多い沖積土で育つ。
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イタリア専門店の出渡さんの持ち寄りも当然のようにイタリアワイン。「北イタリアのヴェネト州との境にあるロンバルディア州ルガーナDOCのワインです。トレッビアーノは、イタリア全土で栽培されていて、低価格なワインも含めて幅広く飲まれています。ところが、ルガーナ周辺では、このトレッビアーノに力を入れています。高品質なぶどうが栽培されるようになっていて、造りもエレガント。軽く樽熟成もさせてあって、品のいいワインです。こちらのお店が野菜がおいしいということで、合いそうだと思って持ってきました」と出渡さん。

マセラシオンすることで独自の香りも引き出されていたところや、おしゃれなボトルも目を引いていました。

カシエル森さんの1本

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「Kiserstuhl Grauburgunder(カイザーシュトゥール グラウブルグンダー)2017」Holger Koch(ホルガーコッホ)

ホルガーコッホは、ドイツ南部バーデンの小規模な造り手。グラウブルグンダーは、ピノ・グリのこと。

IMG_0018 ドイツ専門店カシエルの森さんからは、いま注目のニューウェーブワインが持ち寄られました。

「ドイツといえばリースリングを思い浮かべると思いますが、いまワイナリーを継いだ若手によって、ピノ系品種のグラウブルグンダー(ピノ・グリ)やバイスブルグンダー(ピノ・ブラン)の生産が盛んです。その伸びは2桁上がり。バーデンのカイザーストゥールという産地は、火山性土壌。重厚なワインで知られていますが、こちらは自然派の造りの軽快なイメージ。とはいえ、酸のアタックと厚み、ミネラルがドイツらしい味わいです。ぜひドイツの新しい味わいを飲んでみてください」と森さん。

確かに酸とミネラルの厚みがしっかりあって骨格をなしていますが、キレがあるというより自然派らしい果実味が上がってきそうなポテンシャルも感じました。2日目はもっとすごくなりそうな期待のワインです。

Anyway-Grapes高橋さんの1本

フランスのジュラ地方の小規模な生産者。ナチュラルな造りで知られ、生産量も少ないことから、希少なワインとなっている

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フランスのワインを持ってきた人は意外にも高橋さんだけ!
「フランスびいきというわけではないんですが、ジュラのシャルドネです。ブルゴーニュが高騰してきたので品質のいいシャルドネを入手するのが難しくなってきました。そこで注目されているのが、土壌が似ているジュラ。これは、自然派の造り手になります。新しいヴィンテージが入荷しているんですが、1年飲んでないので、気になって持ってきました」と高橋さん。
ちょうどしゃぶしゃぶが出てきた頃あい。ポン酢と合うと皆さんに好評でした。

アンケヴィーノ!鈴木さんの1本


デラウエアの聖地”山形県南陽市で2019年秋に設立予定のワイナリー。2018年ヴィンテージは、委託醸造でリリース。
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かつて百貨店勤務時代に日本担当だったという鈴木さんは、日本ワインを持ち寄り!
「元々、滋賀県のヒトミワイナリーで醸造責任者をやっていた岩谷さんが自身のワイナリーを立ち上げられて初リリースされたうちの1本ワインを持ってきました。デラウエアを中心にスチューベンも使われています。ヒトミ時代も山形のデラウエアを使われてきましたが、ワイナリーを設立したのも山形。それだけこの土地を愛しているんだと思います。リリースされたばかりでまだ飲んだことがなかったので、持ってきました」と鈴木さん。
微発泡のイチゴジュースのような味わいが印象的な1本でした。

ラ・カンティーナ・ベッショ 別所さんの1本

IMG_0070「Per Papa(ペルパパ)」Castello dhi Cigognola(カステル・ディ・チゴニョーラ)

中世より歴史を持つ華麗なる一族によるワイナリー。1995年より天才と称されるリカルド・コッタレラ氏を招き、ワインが造られている。
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「ロンバルディア州の南のオルトレポ・パヴェーゼという産地のワインです。地元ではキアヴェンナスカと呼ばれるネッビオーロで造られています。9000円もして、はっきり言ってくそ高いんですけど、うまい! ネッビオーロなのに甘みもあって、不思議な味わい。並のバローロより高いネッビーロをぜひ飲んでみてください」と別所さん。
意外性のあるセレクションは、さすが。伊達に「ITALIA」と書かれたブルゾンを着てないな、と思わせるイタリア愛を感じました。

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プロが持ち寄っただけあって、どれも注目度の高いワインばかり。皆さん、思いの伝わるプレゼンをしてくれたのもおいしく感じた理由かもしれません。それぞれのワインショップで売られていると思うので、ぜひチェックしてみてください。(売り切れ御免!)