ロッソルビーノ(江戸川橋)

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ソムリエがつくるイタリアの食とワインの店

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ロッソルビーノはイタリアを愛するソムリエによってつくられた。日本人にイタリアの食文化やワイン文化を知ってほしい、との思いからだ。オーナーは、日本のイタリアワイン界で屈指の存在感を放つソムリエの坂田真一郎さん。イタリア・ピエモンテ州の老舗リストランテでソムリエを務め、2001年に自身の店「リストランテ・ラ・バリック・トウキョウ」を開店。その後、2009年にオープンしたのがロッソルビーノだ。

店内は、イタリアワインはもちろんパスタや菓子、惣菜、チーズ、生ハムも並ぶイタリア食文化の発信地。プロが選んでいるだけあって、本格派のワインや食材が揃うが、ランチやバーもあり、店内でイタリアの食やワインを気軽に味わえるのが魅力。イタリアを身近に感じられるお店となっている。

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店内の壁には、サインやメッセージがたくさん飾られている。これは、イタリアワイン生産者から寄せられたもの。特にイタリアワインの帝王として、威厳あるワインを造るGAJAとの信頼関係は厚く、ワインセラーにはGAJAコーナーもあるほど。イタリア生産者が来日した折に立ち寄ると、「ここはもうイタリアだね」という言葉が出るという。バーカウンターがあって、イタリアのカラフルな食品が並ぶ様子を見れば、誰しもイタリアの温かみを感じずにいられない。

北から南まで、20州のすべての個性を味わってほしい

R0015567▲スーツを着こなす江木さん。しかし、ロッソルビーノではラフな格好での接客がほとんど

ロッソルビーノは、リストランテ・ラ・バリック・トウキョウのソムリエ3人が当番制で店の顔となる。支配人の江木義宏さんも、その1人。オーナーの坂田さんと同じようにピエモンテ州のリストランテでソムリエを務めた経験もある。イタリアワインの魅力とは?
「イタリアは20州全土でワインが生産できる稀有な産地です。赤も白もロゼもあって、それぞれの地域でワインを造るブドウ品種が異なっていて、特色がある。こんなワイン産出国は他にありません。そこに北から南までの食文化が加わります。当然、同じ地域の料理とワインはベストマッチですが、日本の食材であっても、フィットするワインが必ずあるのがイタリア。無限の楽しみを与えてくれるおもしろさがあります」と、バラエティの豊かさを魅力として教えてくれた。

江木さん自身は、リストランテとワインショップを行ったり来たりだが、その違いも仕事のおもしろさだと語る。
「リストランテのソムリエは、食事に合うワインを提案したり、大切な方との時間をサポートするのが務めです。提案したワインの感想がすぐに聞ける一方で、あくまでもお客様のサポート役という側面があります。ワインショップは逆で、提案したワインの感想をその場で聞くことはできませんが、お客様とは1対1のコミュニケーション。バーではより密なコミュニケーションをを求められることも多くなります。ご近所の方も多いなかで、フランクにワインの好みを一緒に探っていくのは楽しいですね」。
緊張感のあるシーンを含めて、さまざまな経験を積んでいるのが、ソムリエ。その人たちから聞けるイタリアワインや食文化の話が興味深くないはずがない。ワイン1本、チーズ1つでもさまざまなエピソードと共に話を聞いてみたい。

プロが選んだ味を自分目線で選べる演出

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ワインセラーにあるワインは、すべてイタリア産。20州のワインがまんべんなく、約200種類揃えられている。手に入れやすいものだと1000円台からあり、果てしなく高価なワインもある。ワインのタイプとしては、クラシックなものから自然派までを網羅。地域を代表する伝統的な造り手から、オレンジワインのような醸しを取り入れた造り手までラインナップされている。ワインの棚は地域別ではなく、「ミディアム・しっかりめ」「ミディアム・デリケート」など味わい別に分かれている。バラエティ豊かなイタリアワインは、選ぶのもひと苦労だが、味わい別に分かれているとは選びやすい演出だ。

結婚記念日や誕生日など特別な日の演出も叶う。ヴィンテージワインはレストランストックから用意することも可能。もちろん、状態が最高であることは間違いない。

店内のレイアウトと楽しみ方をチェック

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店内は、大きく分けて「食材スペース」「食品スペース」「テーブル」「バー」「ワインセラー」に分かれている。全部巡ってみるのもよし、時間が限られているなら目的のスペースを目指そう。

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▲食材スペース。パスタやオリーブ油、バルサミコ酢、オリーブ、スパイスなどが並ぶ

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▲南イタリア特産のレモンリキュール「リモンチェッロ」。たくさんの種類が揃う

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▲食材コーナー。イタリア惣菜はリストランテで作られたもの。
チーズは約20種類、生ハムやサラミは約15種類ある。生ハムやサラミは切りたてをいただける

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▲ワインセラーの一角。甘口ワインとスパークリングのコーナー

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▲ワインセラー内のGAJAコーナー。日本一GAJAが充実しているといわれている。ポスターには当主アンジェロ・ガヤ氏からの直筆メッセージも!

おすすめは、ピエモンテ州の地元で愛されるワイン

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▲左「Langhe Nebbiolo(ランゲ・ネッビオーロ)2015」Josetta Saffirio(ジョゼッタ・サッフィーリオ)¥3,500
右「Dolcetto di Dogliani Briccolero(ドルチェット・ディ・ドリアーニ・ブリコレッロ)2015」
CHIONETTI (キオネッティ)¥3,900

おすすめとして紹介してもらったのは、坂田さんと江木さんも働いたことのあるピエモンテ州のワイン。どちらも地元で日常的に飲まれているワインだそう。
「ほどよくコクや酸、タンニンがあってバランスの良いワインです。どこか突出しすごさがあるわけではないんですが、やさしい丸みがあって、食卓で楽しんでいただきたいもの。派手さはありませんが、滋味深く飲んでいただけると思います。いずれも古くからの家族経営の造り手で、地元に愛されています」と、教えてくれた。
バローロやバルバレスコのような偉大さはないが、もう1つのピエモンテの表情が見えるワインだ。

ワインバーにはグラスワインがずらり。お得なワイン頒布会も

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店内の奥にあるワインバーでは、赤白泡ロゼが日替わりで8種類くらい用意されている。1グラス600円〜あり、北部・中部・南部とまんべんなく開いていることが多い。そのため、バラエティに富んだイタリアワインをさまざま試してみるのにぴったり。近所の方がふらりと訪れることが多く、気さくな雰囲気がある。

イタリアワインをお得に毎月飲みたいという人におすすめなのが、坂田さんが選ぶワイン頒布会。1万円・2万円・3万円のコースがあって、季節に合わせてセレクトされたワインが毎月4本程度送られてくる。通常よりも2割引くらいの価格でお得。ワインの特徴や食事の合わせ方も同封されているサービス満点のセットとなっている。イタリアワインの魅力をソムリエから教わりたいという人は、ぜひ試してもらいたい。

ROSSO RUBINO ロッソルビーノ
東京都文京区水道2-13-6
11:00~22:30(Bar L.O. 22:00)
第2火曜、毎週水曜定休
03-6304-1529
HP:http://rossorubino.jp/shop/
FB:@RossoRubinho2009

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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