festivinフェスティヴァン(新宿)

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個性粒ぞろいのナチュラルワインショップ

新宿には自然派ワインを扱う店がない、という話を聞く。しかし、実は伊勢丹新宿店にナチュラルワインを揃えた「フェスティヴァン」がある。場所は伊勢丹新宿店本館の地下2階、ビューティアポセカリーというフロアの一角。本館1階には世界各国のワインが揃う「グランドカーヴ」もあるので、あわせて立ち寄るのにも便利だ。

フェスティヴァンでは、独自の基準に叶った自然派ワインをナチュラルワインと呼んでフランスだけでなく幅広い国々のワインが揃えられている。もともと、フェスティヴァンとは、日本のワインインポーター約20社がナチュラルワインを飲むイベントを開こうと開催されたもの。伊勢丹のフェスティヴァンはそのコンセプトをそのままショップに落とし込み、個性豊かな生産者のワインが並んでいるのが特徴だ。

テイスティングカウンターでは、常時6種類くらいのワインが400円〜14時から味わえる。初めてナチュラルワインを飲む人でも気軽に試すことができ、相談しやすい接客も心がけられている。デパートだけあって、ワインを贈り物にしたいときにもぴったりのお店だ。

ニーズを満たすワイン選びをサポート

フェスティバンが開店したのは、2012年9月。日本でオーガニックワインやビオワインが注目され始めた頃。伊勢丹でこうしたワインを扱いたいと話が持ち上がり、相談されたのが日本に自然派ワインを広めた勝山晋作氏のもと。そこで、自身が主宰するイベント「フェスティヴァン」の世界観でショップが再現された。店を預かったのが、岡田悦和さん。当時、都内のワインショップや勝山さんがオーナーの「祥瑞」で働いていたところ白羽の矢が立った。以来、店の顔として店頭に立っている。

「ナチュラルワインは、ブドウそのものが感じられる飲み心地の良さが魅力です。通常のワインよりもブドウの収量をへらしているので、飲み口は軽くても味わいがしっかりしています。なるべく手をかけないように自然のままにワインが造られていますが、逆に個性が出るのがおもしろいところ」と岡田さん。

しかし、デパートにはさまざまなニーズを持ったお客様が訪れる。ナチュラルワインだからと言って通好みのワイン選びに寄っているわけではない。
「その方が何を求めているかを重視しています。初めて飲むという方には、好みの味に近いものを選びますし、いつも来られるお客様であってもシチュエーションごとに飲みたいものは変わってくるはず。一般的な嗜好や自分の好みを押し付けないようにしています。贈り物のご要望も多いので、その場合は相手の方について細かく聞くようにしています」。ナチュラルワインを飲んでみたい、と思ったら岡田さんに相談してみよう。

試飲やインポーターとの近さを利用して

店内には、80種類以上のナチュラルワインが揃えられている。フェスティヴァンに並ぶナチュラルワインの基準は、自然派ワインの礎を築いたマルセル・ラピエール氏らの団体AVNがつくった基準を参考にしたもので、亜硫酸塩(酸化防止剤)の上限を決めている。ワインはできるだけ新しい産地、新しい生産者のものに目を配りつつ、味のおいしさでも評価されたものだけが選ばれている。

お店を上手に利用するなら、テイスティングカウンターで試飲するのが一番。そこで好みを探りつつ、予算に見合ったものを紹介してもらうのが賢い利用法。さらに月に1回インポーターによる無料試飲会を利用するのもおすすめ。無料試飲会には、インポーターのスタッフがいるので、生産者のことを聞くのはもちろん、旅行でワイン産地に行く場合にワイナリーを紹介してもらったり、現地のおすすめレストランやワインショップを聞くこともできる。インポーターとの距離を縮めることで、生産者やワインをさらに身近に感じられる。飲んで会話して、ナチュラルワインの世界を広げてみよう。

店内のレイアウトをチェック

地下2階に降りる階段は限られているので、地下1階で地下2階に降りられる階段を店員さんに聞いてみよう。お店はメイクアップコーナーの向かいにある。
▲向かって左が赤ワイン、右が白ワイン。1本1本に説明カードで特徴が書かれている

▲14時からのテイスティングカウンター。平日は夕方になるとにぎわい始める。土日はスパークリングワインも登場

▲ワインの下の棚にはナチュラルワインにまつわる書籍もたくさんある

おすすめは急成長の若手によるジュラワイン

▲「レ・トゥルイヨ・スメーヌ16 コート・デュ・ジュラ2017」ドメーヌ・モレル¥4,800(税抜き)

おすすめとして紹介してもらったのは、フランス・ジュラ地方の赤ワイン。
「ドメーヌ・モレルは1985年からあるワイナリーですが、息子ヴァランタンがアルザスでの修行を経て自身の代になった4年前から、ビオに切り替えました。だんだんと良くなってこの2017年で開花。ブドウの果実味がダイレクトに伝わる豊かな旨味がありますが、一度に来るんじゃなくて、じわっと包み込んでくれて、後味に妖艶さがあります」

妖艶さというのは、どういう味なのでしょうか?
「フルーツと動物的な香りが混じったような官能的な雰囲気です。ジュラ地方のヴァン・ナチュールの神様と言われるピエール・オヴェルノワはそういった表現が巧み。まだ、そこまで圧倒的ではありませんが、可能性を感じます。2018年は作柄もよい年なので、来年以降も期待できます」
若手の可能性に注目してみてはいかがだろう。

月1回インポーターの無料試飲会を開催

フェスティヴァンでは、月1回ほどインポーターによる無料試飲会が実施されている。スタッフと直接会話しながら、新作やおすすめ生産者の試飲ができる貴重な機会。イベントの告知は、お店のインスタグラムやFacebookまたは伊勢丹新宿店ビューティーアポセカリーのLINE@で行われている。SNSでは新作案内もチェックできるので、ぜひフォローしてみよう。

festivinフェスティヴァン
新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店本館地下2F
03-3352-1111(代表)
10:00〜20:00
休日は伊勢丹新宿店に準ずる
Facebook:@ワインショップfestivin
Instagram:@shopfestivin

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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