ワインショップ巡り昼飲み部〜外苑前・神宮前編

ここ数年、角打ちや試飲イベントを実施しているワインショップが増えています。そこで、今回はそんなワインショップをはしごする「昼飲み部」をやってみました。散策エリアは外苑前から神宮前周辺。自然派ワインやイタリアワインの個性的なお店が多いのが特徴です。お付き合いいただいたのは、編集長オカモトがワイン教室で出会ったスガ夫妻です。昼下がりの外苑前駅で待ち合わせし、いざ出発!
今回、巡るのは4つのワインショップ。
●no.501
●VIRTUS(ウィルトス)
●DIVE TO WINE(ダイブトゥワイン)
●ラ・カンティーナ・ベッショ

ここで軽く紹介しますと、スガ夫妻は九州・博多のご出身。おふたりともワインが大好きで、奥様のナミコさんはかなりの酒豪。毎週金曜は新橋にあるワインバー「Kassi’s Bar新橋店」でお店に立たれています。そこに毎週のように顔を出しているのが旦那さん。「家で会えるからよくない?」と思いますが、それくらい仲良し夫婦です。

no.501へ向かう道すがら、最近どんなワインにハマっているかという話に。ナミコさんはアンフォラワインの柔らかな熟成感にハマってるとか。それに加えて樽の風味が苦手なため、アンフォラを推しているそう。確かにアンフォラだとブドウそのものだけの風味になりますねー。
旦那さんは、ワインバーやレストランでおいしいと思ったワインはスマホに残しておいて、ワインショップに買い物に行くときにお店の人に相談しているとか。賢い! 今のイチオシは「シルヴァン・ソー」なんだそう。

目次

1軒目:no.501のイカした店内で自然派ワインを飲む!

…と、そんな話をしているうちに、no.501に到着。無機質な入口がかっこいい!
こちらは2016年12月にOPENした自然派ワインショップ。私は2年くらい前、インポーターさんに「ルーシーマルゴーとか入手困難な自然派ワインが置いてあるんですが、店内がめちゃくちゃイカしてます。青山って感じですよ」と教えてもらって知りました。どんなイカし具合かというと・・・こんな感じです!
ショップスペースは、ジャングルジムのようなワイヤーボックスにボトルが差されています。斬新!
角打ちスペースは、コンクリート打ちっ放しの壁にスチールのテーブルがシャープな印象。洒落てますねー。すでにアラサーの女性2人の先客がおしゃれに飲んでいました。そりゃもう、東カレの誌面で見たことある!ってくらいな景色でした。
我々「東ワイ」(注:東京ワインショップガイド)も飲みましょう。まずはスパークリングや白ワインを出していただきます。この日は4種類のラインナップ。

写真の通り、別々のワインを注文してみました。左から、アリゴテ、ソーヴィニヨン・ブラン、オレンジの微発泡ワイン。全てナチュールワインです。
ソーヴィニヨン・ブランはナチュールだとハーブのような青い香りが消えるのが不思議です。でも、アリゴテは品種特性であるグレープフルーツっぽい苦味がしっかり。酸が柔らかで通常のアリゴテより好みでした。
グラスワインは、だいたい1杯1500円くらい。ボトルによって値段が変わります。店のボトルを角打ちすることもできて、その場合はボトルの値段+抜栓量2000円。ワインがおいしいと言われる満月の日は、「満月グリーン」イベント開催につき、抜栓料が半額になるとか。ワインのアテがほしいということで、おすすめを聞くと沖縄の自然派チーズがあるとのこと。・・・ん、チーズにも自然派があるの? 聞くところによると、チーズを長命草などの植物酵母で発酵させたチーズなんだそう。
ここで、スガ夫妻が「長命草」に反応。実はスガ夫妻は、結婚式を沖縄で挙げたほどの沖縄好き。今でもよく訪れるそう(私は一度も行ったことありません、羨ましい…)。長命草は、「1株食べれば1日長生きする」と言われる植物なのですが、とにかくまずい。長命草の酵母で発酵させたチーズと聞いて、スガ夫妻はだいぶ警戒してました。
店員さんによると、造っているのはこちらイギリス出身のジョン・デイビスさん。仙人風のビジュアルにチーズのカブり物・・・さらに警戒心がマックスです。でも、せっかくなので珍しさも手伝って注文しました。
食べてみると、思ったほどにおいも苦味もない! フランスやイタリアのウォッシュやブルーチーズほどクセがなく、自然派ワインにもぴったり。「沖縄チーズの4種盛り」は1500円でした。
会計を済ませ、ショップスペースでワインを物色していると、旦那さんが「あったー!」と叫び声をあげています。なんと、来る途中に話していた「シルヴァン・ソー」のワインを発見。ラスト1本だったようで、ホクホク顔。リュックサックで来た甲斐がありましたね。

2軒目 ウィルトスで中尾さんのお土産ワインに群がる

次に向かうのは「ウィルトス」。場所でいうとダイブトゥワインの方が近いのですが、この日はイベントのあるウィルトスに先に向かうことに。ウィルトスといえば、東京オリンピック的にいうと、国立競技場に最も近いワインショップ。キラー通りを北上すると、ちょうど完成していく様子が見れます。おー、できかけてる!
ウィルトスに到着! ここは、自然派ワインから日本ワイン、クラシックなフランスのワインまで幅広く扱う店。この日は、オーナー中尾さんが海外出張で見つけたワインをテイスティングしようというイベント開催日。ウィルトスはワインの直輸入も手がけていて、今回はスペインやフランスのワイナリーを巡って来られたそう。そんな、発掘お土産ワインがコチラ!
・・・想像を超える本数。30本以上はあります。ウィルトスは東京のワインショップでも随一なんじゃないかと思うほど、テイスティングイベントが多いお店。毎週末になると、趣向を凝らした試飲会が開催されていますが、この数は史上最高なのでは?!
この日は1杯500円。だいたいの好みを伝えると中尾さんが選んで注いでくれます。
たくさんあるせいか、じゃんじゃん注いでくれます。
こんなにきれいなオレンジワインも!
これにはナミコさんもこの笑顔!
旦那さんもご満悦!
この日のイベントは3時間限定で、出入り自由・予約不要だったのですが、私たちが訪れた時間帯は10人くらいがにぎやかに出入りしていました。一人参加の方も多かったですが、ワイン好き・ウィルトス好きということで和やかでした。お土産ワインもおいしいしね!
自然と集まった差し入れのおつまみ。パンにコンビーフにナッツ。変わったところでは、「歌舞伎揚が赤ワインにあう!」と持ち込んでくれた方もいました。中尾さんも歌舞伎揚が大好きだそう。
そんな中尾さんの素敵な笑顔を収めたかったのですが、酔っ払っていたせいかピンボケ。全国の中尾ファンの皆様、すみません。。
この日、お土産ワインで一番印象に残ったのがジュラの白ワイン。サバニャンだったかと思いますが、リンゴをシャリシャリ噛んだような味で旨味も出ていておいしかったです。近々、輸入される予定だそうなので、正式輸入が楽しみです!

VIRTUSウィルトス(外苑前)

3軒目は300円試飲ができるダイブ トゥ ワイン!

3軒目は、「テイスティングワインショップ」ともいえる「ダイブ トゥ ワイン」。普段から約10種類のワインがすべて300円で試飲できるお店なんです。自然派ワインを中心にカリフォルニアやニュージーランドのワインなどがあります。
店内の中央に木製のセンターテーブルがあって、そこで試飲できるようになっています。しかも、テーブルの前にはワインが陳列されているため、ワインを見ながらテイスティングが叶っちゃいます。ワイン好きにはうれしいレイアウト。
試飲できるワインはガラスケースに並べられているので、番号で選べるしくみ。人気ワイン「ブレッド・アンド・バター」。カリフォルニアらしい樽がこってりきいたシャルドネです。
なかにはこんなボックスワインも。750mlボトルの4本分の容量が入っていますが、真空パックに入っているのでおいしさが長持ちするそう。デイリーワインによさそう!
おつまみもあります。「オリーブのチーズ詰め」をオーダーしました。たくさん飲むのに、おつまみは欠かせません!
それにしても、300円で試飲できるのはありがたい。途中常連さんが「何か新しいのある?」と入って来られた通り、ボトルは頻繁に入れ替えられているようです。お気に入りが見つかったら、ぜひ買って帰りたいですね。

DIVE TO WINE(外苑前)

4軒目は、8周年に湧くラ・カンティーナ・ベッショ

最後にやってきたのは、「ラ・カンティーナ・ベッショ」。イタリアワインを中心に世界各国のワインが揃う宝庫。2011年のオープンから8周年ということで、振る舞いワインやSALEイベントをやっているんです。
入ったらすぐ、「おー、いらっしゃい」と迎えてくれ、ワインが注がれます。これが振る舞いワイン。まだ何も買ってないのにありがたい!
振る舞いワインは、こちらのソーヴィニヨン・ブラン。イタリアの白ワインです。さすが、イタリア愛にあふれる別所さんのチョイス。
さらに、白ワインが中途半端に終わってしまったことから、こちらの赤ワインも大盤振る舞い。えー、スーパータスカンじゃないですか?! ありがたや~~!
*振る舞いワインは8周年イベント期間中のみのサービスで、すでに終了しています。

この気風の良さが別所さんのお店が、愛される理由。この日もお店の応接テーブルにはインポーターさんやらお客さんやらが集まっていました。ここで私は、有名ソムリエや芸能人が座っているのを見たことがあります。別所さん、どれだけ顔が広いねん。さすが、東京のイタリアワイン界で別所さんを知らなかったらモグリ、と言われるだけあります。

実は、東京ワインショップガイドの取材を最初に受けてくれたのも、ラ・カンティーナ・ベッショさん。サイトもできていないのに、お話しを聞かせてくれた恩人です。・・・しかも4時間も(笑)

振る舞いワインをいただいた後は、お買い物タイム。スガ夫妻は、イタリアのグレコ・ディ・トーフォをご所望。別所さんのおすすめは、グレコの最高峰であり地元の英雄ピエトラ・クーパ。別所さんのおすすめなら間違いないということでお買い上げ。私も別所さんおすすめの「癒し系サンジョベーゼ」などを購入。8周年特別価格の10%OFFで買えてラッキーでした!

La Cantina BESSHO(原宿)

〆は原宿「移民の歌」でスパイシー料理をいただく

さて、気づけばもう19時近く。よく飲み、よく歩き、お腹が空きました。原宿駅に向かう道すがら、見つけたのが「創作アジアンダイニング移民の歌」。なんでもスパイス料理がおいしいとか。
水餃子のような小籠包のような料理。カレースパイスのタレが美味!
ローストビーフも火入れバッチリ!
スパイス料理といえばのタンドリーチキン。1日歩いた疲れをピリリと癒してくれます。もちろん合わせたのは、ワイン。やっぱりスパイス料理にもワイン!

お腹いっぱいになった後、最後は竹下通りでウン十年ぶりにクレープを大人3人で分けて食べました。竹下通りに来るとクレープ食べたいけど、一人じゃ恥ずかしくて注文できなかったんですよね。積年の思いが果たせました。
原宿駅に到着した頃にはすっかり夜になって、昼飲み部も解散。参加してくれたおふたりに感想を聞いてみました。
旦那さん:「自然派ワインにハマっているので、はしごして角打ちできたのが楽しかった。イタリアワインも好きだから、別所さんのお店を知れたのもよかった。今回、青山や原宿にきて、こういうことができるんだな、と思って楽しい体験をさせてもらいました。自然派ワインとの出合いは一期一会。シルヴァン・ソーも買えてよかった!」
ナミコさん:「自然派ワインって買うのが冒険だけど、飲んでみて買える店が巡れて楽しかった。しかも、お互いの好みを友達と飲めるのも最高! 別所さんのお店も、イタリアだけじゃなくて色々あっておもしろかった。散策と買える楽しさが両方が味わえた充実の1日でした」
ふたりともすっかりこのエリアのワインショップを満喫した様子でした。

今回、私自身がワインショップで昼飲みできたら楽しいだろうな、と思って企画しましたが、予想以上に楽しかったです。途中、すっかり本気飲みしすぎて、写真を撮り逃していたり、ピンボケしまくってるのがいい証拠です。

皆さんもぜひ大人の昼の遠足・ワインショップ巡りをやってみてはいかがでしょうか! 次回は、どの街に出没しようかな…?

巡ったワインショップ
1軒目:no.501
渋谷区神宮前2−5−4
2軒目:ウィルトス
渋谷区神宮前2-11-19
3軒目:DIVE TO WINE
渋谷区神宮前3-1-21
4軒目:ラ・カンティーナ・ベッショ
渋谷区神宮前2-25-5

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 ライター/ワインエキスパート

東京に暮らす40代のライター/ワインエキスパート。
雑誌や書籍、Webメディアを中心に執筆中です。さまざまなジャンルの記事を執筆していますが、食にまつわる仕事が多く、ワインの連載や記事執筆、広告制作も行っています。東京ワインショップガイドは2017年から運営をスタートしました。

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